菓子製造業の営業許可を取得するために

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手作りのお菓子を販売したいと思った時

手作りお菓子を販売するにあたり、大切なこと・必要なことはなんでしょう?

私は趣味のお菓子作りが高じて、手作りお菓子の製造販売を行ないました。
その時の経験をいろいろ記しておきたいと思います。

お菓子の製造販売では「美味しさ」も大切ですが
それ以前にまず「食の安全」がなによりも一番大切です。
いくら美味しいレシピを知っていて、美味しいお菓子を作る技術があっても、衛生面をしっかりしていなければダメなのです。

・食品に関する営業を始める場合、営業許可の取得が必要です。
・その為には、製造をする施設の所轄する保健所に営業許可の申請をする必要があります。

これは、食品衛生法や都道府県の条例で定められているものです。

手作りお菓子を自宅で作って販売しても良い?

どんなに清潔にしている場合でも、自宅で普段生活のために使用しているキッチンでは営業許可は下りません。

ですので、「お掃除に自信があって毎日ピカピカに磨いている自慢のキッチンだし古い食材も使わないから、自宅キッチンで作っても大丈夫♪」と言う考えはNGなのです。

(「自宅」がいけないのではありません。自宅内に製造専用の設備を別途設ければ許可は下りますので安心してくださいね。)

食品に関する営業許可取得は管轄の保健所へ

手作りのお菓子を販売したい場合には
食品衛生法や都道府県の条例で定められている条件を満たして営業許可を申請し取得しましょう。

※申請する保健所は、「あなたがお住まいの地区の保健所」ではありません。
「あなたが(お菓子等を)製造する施設のある地区の保健所」です。

私ははじめ自宅住所から管轄の保健所を調べ、電話でいろいろ相談していました。
しかし、自宅をリフォームして営業(製造販売)するのではなく、賃貸物件で営業したかったので、お菓子を製造する施設は自宅とは違う場所になりました。

どの地区の保健所でも基本的なことは変わりないと思いますが
許可をいただく地区・担当者によって微妙な違いが生じると思うので
必ず営業したい地区の管轄の保健所の指示通りに進める必要があります。

私の場合、自宅住所の所轄保健所の担当の方も、電話での問い合わせだったのにとても親切・丁寧にご対応くださいました。
また、実際に許可を申請した地区の保健所でもしっかりとご対応くださいましたので、あなたも怖がらなくて大丈夫です^^

菓子製造業の営業許可申請~営業開始までの7つの流れ



話はそれましたが・・・
手作りのお菓子を販売したいと思って、計画を立てたら、その後どうしたら良いのでしょう?
菓子製造業の営業許可を申請し、営業を開始するまでの流れとしまして以下のようになります。

1・計画を立てる
2・事前の相談
3・食品衛生責任者の資格取得準備(有資格者がいない場合)
(→・食品衛生責任者の資格を取得するには
4・菓子製造施設(工房)を造る
(→・菓子製造業・工房を造る
5・申請書類の提出
(→・菓子製造業の営業許可申請をしました
6・施設の調査、許可
(→・施設の調査・許可・許可証の受け取り(菓子製造業)
7・営業開始(開店)
(→・菓子製造業いよいよ開業!

私が菓子製造業の営業許可を取得したのはかなり前の事ですが。。。私の体験をもとに、順番に説明しますね。

①・計画を立てる

「まずはじめに計画を立てましょう」

美味しいお菓子を作れるからと言って、それだけですぐ開業できるわけではありません。
食は命にかかわりますので、しっかりと計画して臨みたいですね。

「どんなお菓子をどのくらい作って売りたいのか」
種類・量によって、どの程度の施設を用意する必要があるのかが違ってきます。
もちろん、経験を積んだり軌道に乗って来たらステップアップしていけば良いのですが。。。
保健所はあなたの計画を聞いて、ふさわしい方法を教えてくださいますので、まずは規模を決めましょう。

おそらくこの記事を読んでくださっている方は、大規模でなく、私のように個人・小規模で始めたいと思っているのではないかと思います。

「作るお菓子の種類と数」
「施設の場所・広さ」
「販売形態」
「予算」

など、決めましょう。

また、お菓子だけでなくお総菜なども考えている場合にはまた違った許可も必要なので、そのあたりもしっかり決めておきましょう。

営業を認めてくれる保健所は、お菓子の見た目や味・どんなオーブンを使っているのかなどをチェックするのではなく、作るお菓子にふさわしい衛生状態・製造状況などをチェックします。
ですので、あなたが行ないたい営業で許可が下りるにはどうしたら良いのかを、次にあげる「保健所へ事前の相談」で進めていきましょう。

②・事前の相談

「保健所へ事前の相談」

お菓子を製造する施設を「新しく造る」場合には、施設の工事を着工する前に、施設の設計図を保健所に持参して直接相談しましょう。
せっかく新設するのですから、出来上がってから不備があったり問題点を指摘されたりでは悲しいですから。。。
必ず着工前に相談しましょう。

施設を作るのではなく「借りる」場合は、出来れば借りる前がベスト。
賃貸物件がどこまで改築出来るか分かりませんから、借りる場合も契約前に保健所に相談する方が安心ですね。(しかし、相談中に物件が他の方の手にわたってしまう心配がありますので、それについての対策は必要かと思います。)

いずれにしても、担当者が図面を見たりあなたの具体的な計画を聞いて、施設基準をもとに施設の広さや設備がふさわしいか判断し、アドバイスをくれます。

施設の設計図を見ていただき、足りない点があればきちんと聞いて、どの様に改善すれば良いのかを確認しましょう。
保健所は怖いところではないです。担当者はどうしたら許可がおりるか優しく教えてくださると思います。

私の場合には、借りたい物件に致命的な問題点はありませんでした。
ただ、手洗い場について2点ご指摘を受けました。

・トイレを出てから調理場所へ入る前に手洗い場を設置すること
・調理器具を洗浄するシンクとは別に手洗い用シンクを設置すること

この2点について細かくアドバイスをいただき、更にネットでしっかり調査して改善しました。
具体的にどのようにしたのかは、別記事で画像も掲載してお伝えするつもりですので、少々お待ちくださいね。

他にアドバイスをもらったのは、

・作業場所について
(→生地を混ぜる作業台とそれを置く場所、出来上がったお菓子の個包装の作業台とそれを置く場所など)

・冷凍冷蔵庫について
(→生菓子も作るし、焼き菓子にも卵・バター・生クリームなどを使用するので、冷蔵庫と各庫内を測る温度計が必要、など)

・食品保管庫について
(→常温保存の材料を保管する場所)

・ごみ箱について
(→蓋付きでなければならない)

でした。

どれも、少しの工夫・改善で大丈夫でした。

この時点で、「検討中の物件で営業許可をいただけそう」な事がわかり、すぐに物件取得に向けて動き出しました。
ひとり暮らしをしたことのない私。。。人生で初めて自分一人で物件契約をしました♪
慣れなくて不安な点も多々ありましたが、不動産屋さんも大家さんもとても親切だったので、無事に契約を終える事が出来ました。

物件契約時に私が重視していた点や、実際にどのように作業を進めていったかについては、画像をたくさん撮っておいたので、また別記事に記載しますね。

そして、菓子製造業の営業許可を申請し、営業を開始するまでの流れ「3.」以降も別記事にて詳しく書いていきます。



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